備忘録 〜読書と映画と、時々推しと〜

NEWS・作家 加藤シゲアキくんのファンです

「ドライブ・マイ・カー」について

こんにちは。

先日映画「ドライブ・マイ・カー」を観てきました。第74回カンヌ国際映画祭脚本賞受賞などその他も合わせ4冠獲得されました。

加藤シゲアキくんも2021年の10月のSORASIGE BOOKでもリスナーさんからのメッセージで話題に出していました。

2021年5月から講演された、加藤シゲアキ原作・脚本の「染、色」で、出演されていた三浦透子さんが出演されていた背景があるからです。シゲアキくんもまさに、ぴったりの役どころと絶賛していました。

「染、色」の三浦透子さんが演じた、真未を思い出しました。主人公の深馬は、真未との出会いにより、向かい合えない現実を受け止めていき、成長していく。観客として、印象深いところは、顔の表情でした。三浦透子さんの何もかも見透かしているのか、それとも、感情が抑圧されてぎりぎりのところで立っているのかなど想像を働かせてくる視線です。今回の映画でも渡利みさきの存在に似たものを感じました。

3時間という長い時間をかけた映画です。丁寧に繊細に、家福とみさきが抱える、罪の意識と人の弱さを描いていました。二人とも愛する相手の歪んだ愛情を受け止めきれずに、見放したと思い込んでいます。この心情が、家福の舞台俳優・演出家という仕事の舞台と重なりながら進んでいきます。

この作品は村上春樹さんの短編集「女のいない男たち」(文春文庫.2016)に収められています。

やつめうなぎが気になった

やつめうなぎを見た時に、音はこれが自分だと感じている。性行為をすることにより、インスピレーションが沸くという。

やつめうなぎとは、魚ではなく「生きた化石」的存在らしいです。口の見た目もゾッとする様相で、実際に生き物にくっついて、血を吸いながら栄養を得るらしい生き物です。音は、川の中でゆらゆらと流れながら、出会う男性に食いつき、そして生きていく意味を見出していたのだと思われます。

静かな中にも刺激が多い

3時間というと、少し気が抜けてしまうところもあるかもしれません。しかし、この映画は静かな中に、刺激がたくさんありました。登場する人物ももちろんのこと、やつめうなぎ、マセラティという赤い車、そしてゴミ集客場のゴミ。人以外のものにも思いが詰められていたと感じました。全てに意味を感じてしまうという意味で、刺激が多いと思いました。

※2022年2月にDVDが発売され、TSUTAYAでもレンタルが開始されるそうです。とてもおすすめです。